12/22 冬至。
風呂にゆずをぶち込んで浸かれだのカボチャ食えだの言われているが、僕が収容されている独房には浴槽が無い。ということで、カボチャを買ってきた。
スーパー入ってすぐのところに置いてあったやつで、「りょうおもい」という品種らしい。僕には一生縁のなさそうな名前だ。
くそが!といいつつビニールを引きちぎり、
妬みを込めてスプーンで種を取り除く。
そして“りょうおもい”を包丁で真っ二つにする。
真っ二つだけでは気が済まないのでもっと切り刻んでいく。
「これで二度と両想いになることはないだろう」というくらい切り刻んで満足したら、
その“りょうおもい”を釜茹でするために鍋に水を入れる。
加熱する前に“りょうおもい”を放り込んで、これから加熱されるという恐怖をぞんぶんに感じてもらう。
正しいかはわからないが、ここでゆであずきをかぼちゃの上にのっけて
とりあえず全部水に浸るような感じにして、加熱。
それっぽくボコボコ言い出したら……
醤油を小さじ1…と言われてもわからないので、適当にそれっぽい量をコップに入れて、
これで二度と両思いになることはねえよ!ワハハ!なんて言いながら、グッツグツ煮込まれている“りょうおもい”にかける。
そして15分くらい加熱し続けて水分を飛ばす……
が、15分もこのリア充に構ってる暇はないので、鍋の方は萌え萌えキッチンタイマーに任せて……
適当に時間を潰す。
……15分後、鍋の周りが地獄と化していた。
でも水はジャッブジャブ残っているので、さらに15分放置……
そおおおおおれでも水は残ってる。
カレーのインスパイアみたいな食品を作ってしまった。なんてこった!
これ以上加熱すると似非カボチャスープになってしまいそうなので、かぼちゃと小豆をスプーンで回収。
でもなんかそれっぽいのはできた……気がする。
でも大切なのは味、どんなに見た目が汚い料理でも美味ければそれでいい。
やっぱりなんか汚くね?
ここで「料理下手な彼女が頑張って作った料理を食べる」ということにして食べたが……
シンプルにカボチャ。
味付けも悪くはない、小豆が皮しか感じなかったが、最初から無いものだと思えば悪くない。
こいつの良くないところは、料理下手な彼女ではなく僕が作ったことくらい。
次から本気出す。