アメイジング・グレイス。
キモオタクではない市民権を得ている方々は、どこかの歌を想像するはず。
しかし僕は極めて気持ち悪いオタクなので、アメイジング・グレイスと言えば、「アメイジング・グレイス -What color is your attribute?-」。つまりエロゲ。
このエロゲの舞台は「北海道足寄町にフィレンツェの街並みを模して作られた"街"」で、とんでもないことに北海道 足寄町とイタリア フィレンツェの2箇所。決して軽い気持ちで行けるような距離ではない……
はずだが、"サクヤ"というヒロインにガチ恋を拗らせたキモオタクには距離なんて関係ない。海外行ったことない、パスポートなし、英語できない、日本語さえまともに喋れない、チェックシャツ、ダボダボのジーパン、ダンロップの靴、チェーンジャラジャラのバリバリ財布という壊滅的スペックの典型的キモオタクながら、2018年末におよそ1ヶ月でパスポート取得から飛行機・ホテルの予約まで全て行い、東京から約1万キロのイタリアに飛んだ。
そのときは、時差ボケ+3日くらい前に無理して参加した冬コミで拗らせた風邪で大爆死。ホテルのベッドにサクヤの抱き枕カバーを置いて、サクヤのアクリルキーホルダーを握りしめ、オタク特有の気持ち悪い独り言をブツブツ言いながらフィレンツェの街を徘徊した。
そんなキモオタク君、今回は物語の肝(だと思う)とも言えそうな足寄町に行くわけだが、足寄町の聖地は"オンネトー"という湖だけ。
しかもこいつ、足寄の外れの山奥にあり、公共交通機関は一切なし、携帯の電波が通らないという「今の日本にそんなところあるわけねーだろ」と言いたくなるような究極の僻地、僻地の象徴、僻地の天皇。
そんな場所に行くというのに僕は免許取る金をケチってロードバイクで行くことにした。
前に一度、7月くらいにチャレンジしていて、そのときは……
対策を一切していないのに勝手に雨降ったり
長く使えないライトしか持ってないのに勝手に日没してライトが死んだり
水も嫌がるキモオタクのはずなのに、ずぶぬれの状態で峠降って寒すぎて挫折。
そんなことは二度と繰り返したくないので天才の僕はちゃんと考えました!!!!
今回は南極にも行けそうなくらい厚着して、ドチャクソ明るく長持ちするライト(VOLT1700)を買って、一晩中走る!
でもやっぱり寒かったし、濃霧の中走ったり、寒かったり、ライトとかカバンの表面に氷がついたり、靴の中で足の指がもげるほど寒かった。ていうか寒かった。本当に寒かった。一生寒かった。
めちゃくちゃ寒かったけど、忍耐力だけはあるキモオタクなので、無事到着。
一応こんな感じで不審者感丸出しの記念撮影なんかして、ヘラヘラ観光客気取っていた不審者の僕は、車で来た夫婦(ていうかみんな車)に「マジ?」とキチガイを見たかのように笑われ、挙句の果てには違う夫婦に「どっから来たの」と話しかけられる始末。
僕のようなキモオタクは、こんな突発的会話イベントに対してセリフが用意されていないから「アッアッアッ」しか言えず終了。気づけば周りには誰もいなかった。
人がいなくなった隙にちょっとそれっぽい写真は撮れたけど、
東京に帰ったら見事に風邪引いて、完治するまで1週間かかった。