僕らモテないキモオタクが恋愛を経験できる唯一の方法、ギャルゲ及びエロゲ。
現実世界で蔑まれ、邪魔者扱いされて疲れ切った心を癒してくれるヒロインの子たちは、みんな美少女で、性格も良い。顔も中身も素晴らしいという現実では考えられないほどの優良物件が僕のような顔面崩壊性格破綻キモオタクに恋をする。
そんなゲームにハマってしまった僕は、聖地巡礼という形で現実の生活にまで持ってきてしまった。聖地と呼ばれるその作品の舞台となった現実の土地に、現実では考えられないような、超絶ハイスペックエクストリーム美少女がそこにいる。
例えば、小学校入学前に学習机を買ってもらった時、左側の引き出しからドラえもんが出てくるかもしれないと根拠がない期待を抱き、左の引き出しだけ物を入れずに綺麗にしていた… なんていう純粋でピュアな幼少期を過ごした僕が、歳食って成長して、対象がドラえもんからエロゲのヒロインに変わっただけ。至って普通のことである。
ということで、エロゲをプレイすることで体内に蓄積された、性欲という名の膨大なエネルギーを用いて極めて衝動的に推しヒロインの名を叫びながら聖地へ向かう。
「悠ちゃんさん会いたいよおおおおブヒイイイイイイ…」と新幹線で叫ぶこと約４時間。
広島まで来ました。
拷問のように一生座ってたから腰が爆発したが、超絶美少女エロゲヒロインに会うためならこの体がどうなっても構わない。
エロゲの聖地巡礼と言ってイタリアに行ったのに比べれば全然大したことがない。東京から広島の８００kmちょっとなんてもはや庭。
僕の悠ちゃんさんが登場する”ラズベリーキューブ”の聖地は川越、牛久、金沢、広島と全国に散らばっていて、そのうちの１箇所が「広島県立広島工業高等学校の門」
→http://madosoft.net/raspberry/story.html の背景
そんなもの道路から適当にパシャっと１枚写真撮ってすぐ撤退すれば、不審者にもならんだろ。 なんて思ってたのだが、
「この地点より校地内につき許可なく立入りを禁ず」
……え、あ、はい。
周辺ウロウロしてもそれらしきものは一切見当たらず、これ以上ウロウロしても不審者になるので撤収。
この聖地巡礼できてないただの交通費で僕の食費が全て消えたので、これから毎日塩水のみの生活が確定した。
今ならパチンコで金が溶けて蒸発したくなる気持ちがわからんでもない。
